DVD視聴「英雄時代」 07/12
実にダイナミックなドラマでした!!70話をほぼ10日で駆け抜けました~
日帝時代~朝鮮戦争~朴正熙の軍事政権時代。
韓国再建のこの激動の時代に創業した「現代」と「三星」、二大グループの歩みをモデルにした作品です。
二人の企業家の姿も勇ましかったけれど、朴正熙大統領が非常に清廉な人物として描かれていることに少なからず驚きました。
折りしも、映画「ユゴ 大統領有故」で、朴大統領暗殺に迫る作品が公開されたこともあり、ネットで朴正熙について調べたり、朝鮮戦争、「現代」と「三星」についてもこの機会にいろいろお勉強しました。
イケメンは一人もいないけど(チャ・インピョさんペンの方々、ミアネヨ~)、見応えのあるドラマでしたよ。
「現代(ヒュンダイ)」創業者のモデル、チョン・テソン役は、チャ・インピョさん。
「三星(サムスン)」の方のクク・テホ役にチョン・グァンリョルさん(クムワ王@チュモン)
テソン子供時代役は、子ソンジュ@天階・子チャンボゴ@海神ね。この子、ほんとに大活躍だわ。テソン父がトック叔父@チャングムで、やっぱりアドリブしてました~(笑)
テソンには、将来を近いあった幼馴染のパク・ソソン(キム・ジス)がいたけれど、親の反対(両班と奴婢の身分の差もあり)で結ばれなくて。可哀想な二人でした。キム・ジスさん、すごく綺麗で、「ずっと会いたい」でヨンハと、「神話」でサンウと共演したとプロフィールにあったから、早速チェックしようと思っちゃいました(笑)
ところで、このドラマは実在の人物をモデルに、かなり?脚色されてるんだと思いますが、途中、インピョさんにすげーラッキーなことが重なって思わず噴き出してしまいました~
・鉱山から追い出されてガッカリしていると、ソ連軍とすれ違う。聞けば、鉱山はソ連が占領して、性格の悪い人夫たちは皆シベリア送りになるという。
・銃殺されそうになり、柱にくくりつけられて銃口が向けられたところで電話が入り、手違いだったと釈放される。
ほんとにどっちもタッチの差で助かるインピョさん~~ちょっとやりすぎな気も。でも実話だったりして??わたし的にはありえませんでしたが(笑)
さて、朝鮮戦争は、教科書でも数行の記述しかないけれど、ドラマで立体的に見ると、ほんとに韓国は北にひどくやられちゃったんですね。
「冷戦」の中の「熱い戦争」と呼ばれたように、北にはソ連、南にはアメリカ軍がついて、激しく戦います。最初は北が圧倒的に優位で、韓国は南端の釜山だけを死守しただけで、ほぼ全土を北とソ連軍に占領されてしまいます。3年1ヶ月の戦争中、民間人の犠牲者も数多かった。。。最後にはアメリカ軍に守られてソウル奪還など、逆転優位になった韓国でしたが。壮絶な時代だったんですね。
この朝鮮戦争が終わったあたり(39話)で、インピョさんとグァンリョルさんの役が、一気に老けたアジョシ俳優さんに変わって、ますます画面はアジョシごろごろでイケメンのいないものになります(泣)
そして、朴正熙の登場。ドッコ・ヨンジェさんという役者さん。どこかで見た覚えもあるけれど、さすがにオーラが漂っています。軍事政権で、思想家やデモをした学生達は弾圧されているけれど、朴正熙は貧しい国となった韓国の再建を願い、民主主義を目指す清廉な人物として描かれていました。その後、大統領選に当選して、国民が選んだ朴大統領となったのだから、確かに支持されていたんですね。
映画「マルチュク青春通り」で、この時代、学校にも軍人が常駐して、抑圧された青春を過ごす学生達が描かれていたので、朴正熙とはもっと非情な人なのかと思っていたけれど、このドラマを見てずいぶんイメージが変わりました。もちろん、ドラマの中では労働者のデモなど大きな反発も描かれてはいたけど。
朴大統領と「現代」「三星」の創業者2人が、「漢江の奇跡」と呼ばれる韓国の経済成長を築いていく様子にはカタルシスを感じました(簡単なことではなかったけれど)
「現代」をモデルにした「世紀グループ」では、会長(インピョさんのその後)に目をかけられた、パク・デチョル役のユ・ドングンさんが光っていました。世紀グループの様々な困難を乗り越えていく実力のある男で、オーラもありましたね。ドラマの最後では、彼は国会議員になっていました。
しかし、「世紀グループ」のチョン・テソンも、「大韓グループ」のクク・テホも、後継者となる息子たちの教育には苦労をして、世紀の方では、気弱な長男が交通事故死、三男もうつ病になり自殺。グループを継承した息子も、ドラマ冒頭で政治献金疑惑のために自殺していました。
これは、実際の現代グループでも、長男交通事故死、四男・五男が自殺となっているんですね。
「三星グループ」のモデル大韓でも、長男は気性が激しく、次男は会社内でクーデタを起こしたりと問題が多く、三男を後継者にしたんですね。どちらの家も、やはり長男に継がせるのが普通なのに、二人の父親はとても悩んでいました。
大韓(三星)の方は、父親が長男を精神病院に拘束しようとまでしていました。大きくなった財閥の後継者問題についてのこの辺の苦悩は、ふつーの家の人には分からないものですね。。。
今、韓国で大人気の高句麗の時代劇。
でも、韓国現代史も本当に興味深いものがありました。いずれにせよ、歴史ドラマには、多くの人民の犠牲や、権力者ならではの悩みが詰まっているんですね。
チュモンほどはハマらなかったし、かなりエネルギーのいるドラマだったけど、「英雄時代」は見て損のない作品だと感じましたよ!